量産形初期高性能車。 これは登場時の姿です。 現在の姿です。 絵をクリックすると大きくなります。 |
〜解説〜 |
700型電車は、1959年より製造が開始された、量産型の高性能車両です。 当時、関西電鉄では「高性能車両」を増備するにあたって、「近車」と「川重」から提示された「案」を元に、600型(2007年に引退)とこの700型を製造し、どちらか優秀なほうを「本格量産」することにしていましたが、比較検討の結果「扱いやすさ」の面で「700型」が量産されることになりました。 前期型(729-730まで)は「ゲルリッツ」のFS326、後期型は「ミンデン」のFS345…と、増備途中で「台車」も変わりました。その分、増備期間が「長かった」証拠です。 34編成(68両)増備されて、ながらく「本線」の主力車両として、また後継形式が登場しても「2連」の扱いやすさから「増結用」や「支線運用」車として重宝されてきました。 現在は「前期型」が廃車(足回りは3300型に転用)、「後期型」も本線から撤退しすべて「河内線」に集結して活躍していますが、そろそろ「引退」の声が出そう…です。 |
主要諸元 2連のみ・1C8M抵抗制御(2両1ユニット)・電磁直通(HSC)ブレーキ |
編成図 ←高槻・新世界・新日鐵前 Mc'+Mc 関西佐野(現・泉佐野)・千早赤阪・蔀屋→ |
「週末輸送」用・2ドアクロスシート車。 これは登場時の姿です。 「3ドアロング」に改造された、現在の姿です。 絵をクリックすると大きくなります。 |
〜解説〜 |
780型電車は、1964年より製造が開始された、700型ベースの「2ドア転換クロスシート」車両です。 '60年代になると、「レジャーブーム」で近隣の観光地へ遊びに行く「需要」が増え始めました。そこで「観光色」の強い車両を…ということで、700型をベースに2ドア化、椅子も「転換クロスシート」配置にした、この形式が製造されました。 車体塗色も「観光用」にふさわしく、「赤帯」を配した「派手」めの色で、この頃に開業した「鶴橋」〜「播磨町」間の地下区間では、すごく「輝いて」見えた…そうです。 しかし、この形式を使用する列車…としてすぐ思い浮かぶのは、河内線初の優等列車<<フェニックス エクスプレス>>ではないでしょうか。 しかし、本線の混雑ぶりは年々「激しさ」を増しており、この形式もついに「3ドアロングシート」車に改造されました。 現在「河内線」に在籍しており、臨時<<フェニックス エクスプレス>>が運転される日は「優先的」に運用に充当されています。 また、一部編成が「本線(南部)」において1000型以降のインバータ車と併結できない800型の「2連増結編成」として転属し、「本線返り咲き」を果たしています。 |
主要諸元 2連のみ・1C8M抵抗制御(2両1ユニット)・電磁直通(HSC)ブレーキ |
編成図 ←高槻・新世界・新日鐵前 Mc'+Mc 関西佐野(現・泉佐野)・千早赤阪・蔀屋→ |
700型後継。「経済的」通勤型電車。 これは登場時の姿です。 現在の姿(初期型・1〜30編成/冷改・非リニューアル車)です。 現在の姿(2次車)です。 延命改造車(2次車)です。 絵をクリックすると大きくなります。 |
〜解説〜 |
800型電車は、1965年から製造が開始された「経済的」高性能通勤車です。 「本線」の乗客増に対応して「4両編成」で登場したこの電車は、これまでの「オールM」を改め「MT半々」の機器構成として製造価格を引き下げ、かつメンテナンスの手間を極力省いた、まさに「経済的」な高性能通勤車となっています。 「経済的」電車といわれる所以はまだあり、T車の台車に「エコノミカル台車」を採用したことです。 「コスト」は下がりましたが、同時に「乗りごごち」も下がりました。 また、この電車には「兄弟」がいて、四条畷線(いまの学研本線)1800系(初代・改番後の300系)が「それ」に当たります。(但し、足回りは700型ベース・後に発電ブレーキを追加) 1970年から増備された編成(2次車・31編成以降〜)は、「同系初」の新製冷房車であるとともに「額縁顔」を採用、モーター出力もアップ、更に「戸袋窓」が廃止され、「冷房車」であることを強烈にアピールしました。(額縁顔は後の1000型まで採用) 約12年にわたって増備が続いたため、51編成(204両)が作られましたが、ある「問題」が出てきました。 それは「車番」の問題で、M車は801〜からのユニット連番・Tc車も「奇数向き」「偶数向き」で851〜からの連番にしていた為、25編成目で「800番代」が埋まってしまう…ことです。(25編成= Tc899-M'849-M800-T'c850 ) そこで26編成目からは、なんと8800番代へと「飛んで」しまいました。(8000番代はもともと、旧・北河内電鉄引継ぎ車に割り当てられた番号) (ちなみに26編成の車番= Tc8901-M'8801-M8851-T'c8951 51編成(最終落成車)の車番= Tc8926-M'8826-M8876-T'c8976 ) 現在、初期製造編成が引退していますが、2次車編成を中心に「リニューアル」(1次型リニューアル車の絵はこちら)されて「本線(南部)」及び「葛城線」、「河内線」で多く見かけるほか、たまに本線「北部」(但し「高槻」までの運用)でも見かけることがあります。 |
主要諸元 4連のみ 1C8M抵抗制御(2両1ユニット)・電磁直通(HSC-D)ブレーキ |
編成図 ←松が丘・新世界・新日鐵前 Tc_M'+M_T'c 関西佐野(現・泉佐野)・千早赤阪・蔀屋→ |
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800型ベースの「ラッシュ対策」車。 これは登場時の姿です。 現在の姿です。 絵をクリックすると大きくなります。 |
〜解説〜 |
8500型電車は、1970年から製造が開始された、800型ベースの5ドア車です。 工場街がある「本線(北部)」のラッシュをさばく為に、800型を「6連・5ドア化」した車両です。 また、関西電鉄「通勤車初」の新製冷房車(ちなみに、同社初の冷房車は、特急用10000型)であるとともに「戸袋窓」が(強度上の問題で)無くなりました。(但し「額縁顔」にはならなかった) 閑散時にも使えるように、一部ドアに「補助椅子」が装備されています。 補助椅子についての解説 補助椅子にまつわるネタ |
主要諸元 6連のみ 1C8M抵抗制御(2両1ユニット)・電磁直通(HSC-D)ブレーキ |
編成図 ←松が丘・新世界・新日鐵前 Tc_M'+M_M'+M_T'c 関西佐野(現・泉佐野)・千早赤阪・蔀屋→ |
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関西電鉄「初」のチョッパ制御・回生車。 これは登場時の姿です。 現在の姿です。 絵をクリックすると大きくなります。 |
〜解説〜 |
900型電車は、1978年から製造が開始された、関西電鉄「初」のチョッパ制御・回生車です。 当時流行した、いわゆる「省エネ」電車ですが、外観は800型(新製冷房車)の流れを引いており(「額縁顔」は単純な構成に変更)ちょっと「古臭い」感じがしないでもありません。 が、この車をベースに、学研本線2400系が作られたあたり、性能は良かった…みたいです。 ちなみにこの形式は「併結相手を選ばない(抵抗車でもインバータ車でも併結出来る)」ことから、運用面で「重宝」されています。 現在、「犬鳴線」を除く本線系統全線で見ることができる、数少ない形式です。 |
主要諸元 4連・6連 1C8Mチョッパ制御(2両1ユニット)・電磁直通/電力回生(HSC-DR)ブレーキ |
編成図 4連 ←松が丘・新世界・新日鐵前 Tc_M'+M_T'c 関西佐野(現・泉佐野)・千早赤阪・蔀屋→ 6連 ←松が丘・新世界・新日鐵前 Tc_M'+M_M'+M_T'c 関西佐野(現・泉佐野)・千早赤阪・蔀屋→ |
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本線系統「初」のインバータ制御。 これは「一次型(非貫通)」です。 「ニ次型(貫通)」です。 「三次型(通称・1300型)」です。 絵をクリックすると大きくなります。 |
〜解説〜 |
1000型電車は、1990年から製造された、学研本線1700系(2代目)とほぼ共通の性能(1700U系は、多少パワーアップしていますが)・車両デザインを持つ電車で、「1xシリーズ」(関電では、本線と学本の共通設計車を、千の位を取って「千xシリーズ」と呼びます)とも呼ばれる形式です。 この電車まで「額縁」顔を採用しています。 この形式以前の車両(特に抵抗制御車)とは、併結時に「トラブル」が起き易い事から、最初は「単独運用」を考えて、あえて「非貫通」(先頭車のドアは非常用)としていました。 ところが、「増備」が進むにつれて、700型や800型の運用にも入るようになると、6連固定では使いづらく「2連」「4連」の必要性が生じ、さらに「増結」の問題から「貫通路」が必要となり、2次型では「顔」を変えて「連結時に貫通」できる様に変わりました。 1992年から増備されたグループ【3次型】は、M車が「ユニット構成」から「1両単位」に変更され、(通称)1300型とも呼ばれますが、正式名称は「1000型300番台」と言う形式番号です。 現在、「2・4・5・6連」の編成がそろった「唯一」の形式として、「本線」「葛城線(平坦区間)」「河内線」で活躍するほか、「犬鳴線」用の5100型「シェルパカー」の重検査時に「代走」したり(現在はこの形式による定期運用がある)、900型、2000型や6000型(2代)の増結に使われることもあるなど、本線系統(除く・葛城線大判以南)の運用の“全て”を任される存在として「重用」されています。 |
主要諸元 2連・4連・5連・6連 1C4M VVVF制御(2両1ユニット) 【3次型は1C4M・1両1ユニット】・電磁直通/電力回生(HSC-DR)ブレーキ |
編成図 2連(MMユニット車) ←松が丘・新世界・新日鐵前/犬鳴温泉 M'c+Mc 関電佐野(現・泉佐野)・関西空港・千早赤阪・蔀屋→ 2連(1M車・300番台) ←松が丘・新世界・新日鐵前/犬鳴温泉 M'c_Tc 関電佐野(現・泉佐野)・関西空港・千早赤阪・蔀屋→ 4連(MMユニット車) ←松が丘・新世界・新日鐵前 M'c+M_T_Tc 関電佐野(現・泉佐野)・関西空港・千早赤阪・蔀屋→ 4連(1M車・300番台) ←松が丘・新世界・新日鐵前 M'c_T_T_M'c 関電佐野(現・泉佐野)・関西空港・千早赤阪・蔀屋→ 5連 ←新日鐵前 M'c+M_T_T_M'c または M'c_T_T_M+M'c 蔀屋→ 6連(MMユニット車) ←松が丘・新世界 M'c+M_T_T_M'+Mc 関電佐野(現・泉佐野)・関西空港・千早赤阪→ |
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本線系統を「代表」する車。これは“試作編成”です。 「2xシリーズ」(学研本線との共通設計車)となった量産型。 絵をクリックすると大きくなります。 |
〜解説〜 |
2000型電車は、1994年に1000型の「後継車」として試作された電車で、約1年に亘る試験の結果、学研本線2700系とほぼ共通の性能・車両デザインを持つように「設計変更」された電車です。 (試作車の解説についてはこちら) 従って「1xシリーズ」に引き続き「共通設計車」(これは2xシリーズですね)にしたのですが、性能を「走行条件がきつい」学本に合わせて設計したため、本線系統に学本のままの「MT比」で導入すると、やや「オーバースペック」気味な車両になってしまうため、その分T車を増やして「MT比」を下げています。 しかし、回路構成は1C2Mのままで、走行性能がよいため、主に「松が丘〜関西空港・千早赤坂」間の「急行運用」で使われることが多く、なかなか「準急」「普通」で見かける機会がありません。 この形式は「枚方車庫」に「集中配置」されています。よって「本線北部」でよく見かけます。 なお、「試作編成」は、5連に組み替えられ「河内線」で運用されています。 |
主要諸元 6連のみ(試作編成は現在5連) 1C2M VVVF制御(1両1ユニット) 電気指令(HRD)ブレーキ【電空読み替え装置付き】 |
編成図 6連 ←松が丘・新世界 M'c+T+M'_T_T+M'c 関西空港・千早赤阪→ 5連(試作編成) ←新日鐵前 M'c+T+M'_T+M'c 蔀屋→ |
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「長距離急行」用、3ドア転換クロスシート車。 絵をクリックすると大きくなります。 |
〜解説〜 |
3000型電車は、1997年から製造された、780型以来33年ぶりとなる「クロスシート」装備の長距離急行用電車で、走り装置などは2000型と同じ物を使っています。 「松が丘」〜「関空」間の特急<<ファインウェザー>>に使用される11000型を「補完」する役割がある「本線急行」用として、「転換クロス」の他に「トイレ」も設置しています。 ただし、朝夕「ラッシュ」時は「転換クロス」は混み合う「急行」には不向きで、「普通」運用に入ることが多い…ようです。 |
主要諸元 6連のみ 1C2M VVVF制御(1両1ユニット)・電気指令(HRD)ブレーキ【電空読み替え装置付き】 |
編成図 6連のみ ←松が丘・新世界 M'c+T+M'_T_T+M'c 関西空港・千早赤阪→ |
学本「300系」本線転用車。(オリジナルの3300型)。 「600」「700」型の台車を「流用」した3310型。 「4000型」の車体と「800型」の走り装置を組み合わせた3330型。 リニューアル改造編成(3340型)。 絵をクリックすると大きくなります。 |
〜解説〜 |
3300型電車は、学研本線旧1800系(→300系)を「本線系統」に転用した形式であるとともに4000型のカルダン駆動改造車として1993年から転用改造された形式です。 初期の編成(3300型)は、学研本線旧1800系(→300系)が800型に比べて「車齢」が新しい為、最初は旧1800系(→300系)6連固定編成化に伴い休車となった車両に新たな台車を組み合わせて、「700型を本線から完全撤退させると共に発電/回生ブレーキ搭載車を増強」させる (本線高槻〜松が丘間は急勾配<33‰区間がある>ため発電/回生ブレーキ搭載車しか入線できないことになっている。同区間開業時から900型登場まで同線の運用が5100型のみだったのはそのため)ために登場しました。 しかし、車齢が高かった600型や700型の「老朽化問題」が深刻だった為、「安価に車体更新を済ませる」意味で、同じく「車体」だけ新しい4000型の車体も流用して主に「河内線の体質改善」を図る為に1996年から増備されたグループ(3310型)の「台車」は600型や700型の「廃車発生品」を使用する方式に変更されました。 その為、基本的には「車体を大規模修繕した」だけでしたが、2000年に登場した編成(3340型)は「新車同然」のリニューアル改造を受け、制御方式も「界磁添加磁助制御」を採用。「回生ブレーキ」も装備され、「本線・葛城線」に800型の代替として投入されているほか、900型と同類に扱われ1000型以降のインバータ車と併結できるようになりました。 その後「新車の製造コストが下がった」ことと、「学研本線旧1800系(→300系)」がほとんど「廃車」になったことなどから、3300型の増備は、2002年度で「一旦打ちきられる」ことになりました。 しかし、ダイヤ上の制約(2連や2+4の6連運用が多くなった)を受け、1000型以降のインバータ車と併結できない800型の「2連増結編成」が必要となり、2006年と2007年にかけて2006年に「引退」した4000型の車体に同じく廃車となった800(初期)型の下回りを組み合わせて再増備(3330型)されました。 「新車同然」のリニューアル改造を受け、制御方式も「変更」された3340型以外の形式は、800型や8500型とともに、2015年までに「全廃(河内線転属車以外)」される予定です。 |
主要諸元 2連(3330型)・4連(一部3310・3340型)・5連(3310型) 1C8M抵抗制御(2両1ユニット)・<3300型は1C4M抵抗制御> <<3340型は界磁添加磁助制御>>・電磁直通(HSC-D)ブレーキ (3300型は発電ブレーキ併用・3340型は電力回生(HSC-DR)ブレーキ) |
編成図(代表的なもの) 2連(3330型) ←高槻・新世界/犬鳴温泉 M'c+Mc/もと4000型 熊取・泉佐野・千早赤阪→ 4連 ←松が丘・新世界・新日鐵前 Tc_M'1+M'1_Tc または M'c+M+M'1_Tc (3340型) 泉佐野・千早赤阪・蔀屋→ 5連(3310型) ←新日鐵前 M'c+M_(M'c+M#/もと4000型)_Tc 蔀屋→ |
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初期高性能車置き換え用。日立「A-Train」規格準拠。 絵をクリックすると大きくなります。 |
〜解説〜 |
6000型(2代目)電車は、2004年から製造された、学研本線6700系とほぼ共通の性能・車両デザインを持つ電車です。(初代6000型はこちら) 「本線用6xシリーズ」とも呼ばれるこの車は、日立が提唱する規格型「A-Train」の技術を採用しており、(但し、製造は日立のほかに川重も担当)路線条件がさほど「厳しく」ない本線系統では、標準規格車らしく「MT比が3:5」となっています。 今後の標準車として、まず4両固定編成が登場し、「玉突き配転」で「車体」は新しいものの「旧性能釣り掛け車」だった4000型を淘汰(2006年度に置き換えが完了)するために、2004年度に3編成12両が増備され、2007年現在、4両編成12本(48両)が在籍しています。 当分は「4両編成」のみの製造にとどまりそうで、主に「普通」で運用されており、普通用としては「久し振りの新車」として、2000型より人気があるそうです… |
主要諸元 4連のみ 1C2M IGBT-VVVF制御(1両1ユニット) 電気指令(HRD)ブレーキ【電空読み替え装置付き】 <<2006年増備車からは(3次車:6008F以降)全電気ブレーキ対応>> |
編成図 4連のみ ←松が丘・新世界・新日鐵前 m'c+T_M'+Tc(mは0.5M車) 泉佐野・千早赤阪・蔀屋→ |